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徳之島ノート

2013.8.20

徳之島ノート No.9「浜下り」

夕方、太陽が沈むころ、皆で海辺に出かけて宴会するのを浜下りと言う。徳之島ではハモレ、浜ウレィと言っている。

海辺は漁業や海運に使われる実用の場所であるだけでなく、島の生活のなかで砂浜はさまざまな行事が行なわれる大事な場所である。夏の夕暮れどき、海風が涼しく吹き渡るころ家族総出でお重に詰めた料理や飲み物を持って浜辺に繰り出す。わたしが遭遇した面縄西浜での浜下りは、集落の人口が減ってしまって人出が少なく、お年寄りたちがひっそりと浜で語り合う光景が見られた。昔は浜下りの慰みとして餅つき、相撲、闘牛大会などが行なわれていたようで、「浜いっぱいに人が出て、ボンボリの灯りがずーっと続いて夜遅くまで踊っていたものだ、そりゃー賑やかだったよ」と話してくれた。

島では、浜辺の空間がとても重要で特別の場所である。昔は建築空間と言えるような空間がなく、行事を行なうほとんどの唯一の空間と呼べるのが海辺の砂浜であった。その砂浜の空間の延長にしようとしたのが、浜から持ってきて家の敷地に敷いた砂であったり、墓所に敷いた砂だったのではないだろうか。宮本隆司・記

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Photo © Ryuji Miyamoto 2013